コノ頁は、2009 年 7 月 26 日に催された「箱庭 2 丁目」という興行にて配布した資料の原稿ですよ。
このかみっこは、箱庭 2 丁目に出演する hizmi (ヒズミと読みます) の補足資料です。 hizmi をご存知の方や、訳知りのおっさんは読まないでください。毒が塗ってあります。
公演中のみならず、随時質問やご意見を受け付けておりますゆえ、 金銭的な相談以外ならお気軽にお声をおけけください。 時折お返事いたします。扇子を持ってふんぞり返っているおっさんが、おそらく hizmi ですから。
X68000 という旧式ポンキューターの内蔵音源を用い、 伝統的な MML という作曲手法で今風なハードコアチェクノの製作にこだわり続けている酔狂なメンで御座います。
重低音とキックドラムに対する情念を糧に黙々と精進を重ね、 野菜の価格に目を光らせる日々を過ごしております。今はピーマンとナスの買い時だ。
1987 年に SHARP が超発売したパーソナル・ワークスティーションです。 こまっかい説明はウィッキペディをご参照頂くとして、 かいつまんで申し述べるならば、あらゆるこだわりを具現化した伝説の名機なのです。 貝をつまんでください。
なにせ伝説ですから、敬意を表し、X6800000000000000000000000000 といった具合に威勢良く表記するのが慣例となっております。 可能な限り長く!
音源には発電機でおなじみの YAMAHA 社製「YM2151」という FM 音源と、 ADPCM (沖電気 MSM6258) というサン・プリング音源 (マイク等から音を録音し、速やかに再生できる音源) がどうにかこうにか組み込まれており、 FM 8 音と ADPCM 1 音を同時に発声する事が可能なんですが... ま、いいや。
YM2151 は 80 年代中期から 90 年代初期までのアーケードーゲーム (ゲーセンのゲームの意。以下 AC とする。しかし以下にはもう出てこないがね) でしばしば使われていた FM 音源ですよ。 それと同じもんが X680000000000000000000000000000000000000 にへーってるヮヶです。
変幻自在な音を作り出せる音源です。ラジオの FM ではありませんよ (原理は同じですが)。
FM 音源という呼び方は大雑把なもので、性格の違う FM 音源がいろいろと在るワケですが、 ひとつひとつ説明していたら日が暮れてしまいますので、キャット。 「いろいろあんのな」程度に思っといてくださいな。
前述の YM2151 は FM 音源の中でも最恐に位置づけられており、 FM ハードコアヒエラルキーの頂点に君臨し続けている王者です。という夢を見ました。 YM2151 は OPM (Operator Type M) とも言います。「オポン!」と発音します。元気よくオポン!
やや具体的には、4 オペレーガー、8 ポルコゅニックという仕様で、 11 ヶのスッチの束が 4 つと、 11 ヶの特殊スッチが組み合わさっていて (合計 55 ヶのスッチ) 、 それが 8 本並んでる、といった具合です。 それらスッチの束は、アリゴリリリズムという仕組みで繋ぎ方を 8 通りに替えることができ、 なんやかんやあって変幻自在な音をひり出すことができる、といった按配です。 こまっかい説明はウィッキペディを。
たとえば既存の音 (楽器の音など) を真似ようとした場合、 芸夢暴威 (PSG という音源) だと「ピー」とか「ポー」という単純な音しかでませんので、 演奏の仕方を工夫して「なんとなくそれっぽい感じ」の雰囲気で表現するワケですが、 FM 音源は音色を自在に変えられますので、「かなりそれっぽい音」を作ることが可能なのです。 ともかく変幻自在の音源なのですよ。ええ。
FM 音源は芸夢暴威より勝っているワケでは御座いません。 それぞれ良いところが満載で御座いますが、わたしの気持ちとしては、 ヴィクトリー。
変幻自在とは申しましても得手不得手は御座いまして、 得意な音は、雰囲気で言うとツヤツヤとかキラキラとか、ギンギンとかベンベンする音です。 楽器でたとえるならリリコンとかチェンバロとかシタールです。
苦手な音はぶっとい音や強打するような音で、ズドン!とかスパン!とかボフアアアアア!!!!!とか、 重量感のあるベースやドラムの音を作るのはとてもムツカシイものです。とてもとても。
文字だけで楽譜を書く古典的な作曲手法です。例を以下に挙げますと...
Track 1: チキシー チキシー チキシー チキシー
Track 2: ドン ドン ドン ドン
Track 3: マチノネーチャン ジャスコノマエー
つまり、アルハベットと記号と数字で楽譜を書くヮヶです。C がド、D がレ、 E がミといった要領で、それに続く数字が音価 (音の長さ) となっておりますので、 「C8」と書けば「ドの 8 分音符」ってことです。あらやだカンタンヨ! これを理解できれば、 ヴィクトリー。
MML はポンキューターにおける作曲手法のひとつであり、 それ以外には譜面入力や、ステップ入力、ピアノロール、ドラムロール、 ロケンロール等など、様々な手法が御座いまして、 X68 (略) のような旧式ポンキにも直感的でとっつきやすい作曲ツールは在るンですが、 そういったものは高い処理能力を要すもので、旧式で動かすには荷が重いものですから、 しょぼいオペックでも軽快に使える MML がおっさん達に好まれ、事実上の標準となっているものです。 海外ではまたハナシが違ってくるんですがね。
実際にどう書くのかと申しますと、普段お使いのテクストエディタ (いわゆる「メモ帳」) でちょちょいと書けば良いのです。なんせ文字ですから、紙とエンピツでも書くことができますし、 床に血で MML のダイイングメッセージを書き残す事も可能なのです。
わたくしが使っている MML は Z-MUSIC という音楽スィステムです。 「音源ドライヴァ」と呼ぶのがおっさんの常識ですが、 世間一般にはあまり通用しない言葉なのでご注意ください。
MML は Music Macro Language の略だそうですが、 Mysterious Muscle Lady (神秘的な筋肉夫人) のほうが魅力的なので、わたしは後者を推します。
ちまみみ、XML の一種で Music Markup Language という音楽データもあるそうで、 それも MML と略して紛らわしい為、直ちに破壊した。
わたくしが 15 年愛用しております、最強の音楽スィステムです。 創造主は西川善司殿。
如何様に最強なのかは割愛いたしますが、 X68 (略) でハードコアを作るなら、これ以外の選択肢はありませんよ。 わたしの音を体験すればわかりかねます。